派手さはないけれど、急速に発展する中国社会の若者像や家族愛を描いたしみじみと心にしみた映画でした。
Netflix 中国映画「僕らの先にある道」あらすじ
2007年、旧正月を故郷で過ごすためにに乗り込んだ列車の中で出会ったジエンチンとシャオシャオ。
都会で成功を夢見る2人は、いつしか恋に落ちます。
貧乏だけど幸せを感じていた2人ですが、なかなか成功を手に入れることができないことに焦りを感じるジエンチンとシャオシャオの気持ちは徐々にすれ違い、すれ違ったまま別れることになります。
そして別れた2人は、偶然2018年の旧正月前に北京へ向かう飛行機の中で再会することに。。
印象に残ったこと
映画を通して中国社会の現状が垣間見れる
庶民の生活環境
大学卒業後も北京に残り、夢を追いかける地方出身のジエンチンがアパートの環境が劣悪といってもいいかと思います。
狭い、壁が薄い、窓がない、トイレ・風呂無し、そんな部屋です。
中国の建築法や消防法とかはよくわかりませんが、火事でも発生しようものなら大被害になること間違いなしの明らかにヤバイ造りです。
また、家賃が払えなくて追い出された後の引っ越先の部屋は、窓はかろうじてあるけど半地下の部屋でした。
これが北京の庶民の生活をリアルに描いたものであるなら、中国の都会で生きていく厳しさがうかがい知れます。
それから、大都会北京の高層ビルやピカピカの地下鉄の様子と、そんなジエンチンやシャオシャオのような庶民の生活環境との落差の大きさも印象に残りました。
都会出身者と地方出身者の格差
シャオシャオの北京での夢は、北京戸籍を持っていて安定した仕事をもつ男性と結婚することでした。
そんな夢を持つということは、中国ではまだまだ生まれた場所がその人の人生に大きく影響するのだということがうかがえます。
親の愛情
ジエンチンの故郷で食堂を営んでいる父親の存在が、この映画をとても心温まるものにしてくれます。
正月に帰省するジエンチンとシャオシャオを毎年あたたかく迎えてくれる、優しい父親です。
下記は、お父さんのセリフです。
「做父母的 你们和谁在一起
有没有成就 都不重要
只希望你们能过上自己想要的日子
健健康康的」
「親ってのは 子供が誰と結婚しようが
成功しようが どうだっていいんだよ
健康で 自分らしい人生を送れば
それでいい」
親の子供への愛情というのは中国であろうが、日本であろうが世界共通ですよね。
エンドロールまでがストーリー
エンドロールはえてして飛ばしがちですが、ストーリーは続いているので必ず観てください。
ジエンチンが亡くなった父親に対して、生きている間にやさしい言葉をかけなかったこと、話に耳を傾けなかったこと、一緒に過ごす時間をつくらなかったこと、など後悔の気持ちを伝えるシーンがあります。
これを観て私も思い出しました。
日常の忙しさに流され、さらにコロナの影響でますます会う機会が減ってしまい、故郷の親にやってあげたいことがたくさんあるのにできていないことを。
中国語学習者の方へ
この映画は、中国語と日本語の字幕を同時に表示して観ることができます。
興味がある方は、下記の過去記事を参考にしてください。
まとめ
主役の2人もとても良かったのですが、私は個人的にジエンチンのお父さんの存在がぐっときすぎて、2人のラブストーリーより家族愛を描いた部分が心に刺さりました。
見る人によっていろんな見方ができる映画でもあるような気がします。
今回は以上です。